ミミ:[warmly] ミミの朝のひと息。二〇二六年十月二十一日、水曜日。ミミのポッドキャストです。五十代からの朝に、ニュースとからだをやさしく整える。おはようさんです。週の真ん中、まだ水曜かと思った方も、もう水曜と思った方もいはるでしょう。今の気分に名前をつけなくても大丈夫。肩を上げて、ふっと下ろして、吐く息だけ少し長く。今日の自分が使える力を、朝から全部使い切らないようにしましょう。 ミミ:今朝は、アメリカとカナダの関税をめぐる新しい裁判。バージニアビーチでは、救急搬送の請求収入が、地域の救急体制へどう戻ったかを見ます。 健司:京都は、紅葉の季節に京都駅へ人が集中しすぎないための「別の入口」。大相撲は岡山の秋巡業、ドジャースは静かなオフシーズンです。 ミミ:五十代からのからだノートは、FDA(エフ・ディー・エー)が承認した週一回の後発ホルモンパッチ。日本語の本は、青山美智子さんの新作『海辺のエール』です。情報の区切りは、アメリカ東部時間、十月二十一日午前六時五分です。[pause 0.6s] ミミ:[calmly] まずアメリカです。ニュージャージー州の食品輸入会社が二十日、カナダ産品への五十パーセント関税は大統領の権限を超えているとして、米国国際貿易裁判所へ訴えを起こしました。 健司:食品の会社というと、暮らしの値段に近い話ですね。 ミミ:ええ。訴えたゲラート・グローバル・グループは、カナダ産のチーズなどを輸入しています。問題になっているのは、二百億ドル相当のカナダ産品にかかる関税です。 健司:政権は、どの法律を根拠にしているのでしょう。 ミミ:一九三〇年関税法の第三百三十八条です。AP(エー・ピー)によると、貿易紛争で使われ、裁判で試されるのは初めて。ホワイトハウスは適法な対抗措置だと主張しています。 健司:では、裁判が始まったことで、関税は止まったのですか。 ミミ:[soft emphasis] いいえ。今日は「提訴された」という段階です。関税が停止された、無効になった、返金が決まった、という話ではありません。 ミミ:暮らしに近いところでは、輸入チーズなどの価格と品ぞろえ。そして裁判所が、大統領の裁量をどこまで認めるかを見ていきます。[pause 0.6s] 健司:[transitioning] バージニアビーチでは、救急医療のお金がどう使われたか、市が一年分の実績を出しました。 ミミ:市のEMS(イー・エム・エス)、救急医療サービスは、二〇二五年七月から、救急搬送に「コンパッショネート・ビリング」という請求制度を始めています。二十日の市議会で、一年余りの進み具合が報告されました。 健司:「思いやりのある請求」という名前ですが、何が変わったのでしょう。 ミミ:市の説明では、請求収入の三十パーセント、これまでに四百二十万ドルが、ボランティアの救助隊へ直接配られました。人材の確保、装備、研修を支えるお金です。 ミミ:ほかにも、救急車の人員、防護具、研修、人工呼吸器、現場の超音波装置などへ再投資されたとしています。 健司:バージニアビーチは、常勤職員とボランティアが一緒に救急を支えている街でしたね。 ミミ:そうです。年間の要請は五万八千件を超えます。市は、救急体制を強くしながら、税金だけに負担を寄せすぎない仕組みだと説明しています。 健司:一方で、患者さんに届く請求書は、一人ずつ違いますよね。 ミミ:[conversational] そこは分けて考えましょう。今日出たのは、市全体のお金の使い道です。請求書に疑問があれば、EMSの公式窓口や保険会社へ。日付、搬送先、分からない金額を先に書くと話しやすくなります。[pause 0.6s] ミミ:[transitioning] 京都は、秋の混雑を「入口」から分ける取り組みです。京都市は二十日、JR西日本、JR東海などと連携して、京都駅への一極集中をやわらげる情報発信を発表しました。 健司:紅葉の時期、京都駅と駅前のバス乗り場は、観光の方にも市民にも大きな負担になります。 ミミ:ほんまにそうですね。今回は、旅行の出発前、電車の中や移動経路、そして到着直前。この三つの段階で、「京都駅だけを入口にしない道」を知らせます。 健司:たとえば、どんな道でしょう。 ミミ:清水寺や南禅寺など東山方面へ向かう時、JR東福寺駅やJR山科駅を使う案内です。地下鉄への乗り換え、観光地の混雑が分かる京都観光デジタルマップ、荷物の配送や一時預かりも一緒に案内します。 健司:大きな荷物を先に預けられると、バスの中も少し動きやすくなりますね。 ミミ:東海道新幹線では、十月二十五日から車内テロップ、十一月一日から車内放送を予定。京都駅では、バス乗り場のライブ映像と推奨ルートも見られます。 ミミ:[thoughtful] 観光客に「来ないで」と言うのではなく、違う入口と、荷物を軽くする方法を先に渡す。市民の普段の移動を守るには、こういう案内が実際に人の流れを変えるか、そこまで見たいところです。 健司:少し先の楽しみもあります。 健司:[slightly upbeat] ここでスポーツです。大相撲の秋巡業は今日、岡山市です。 ミミ:会場はシゲトーアリーナ。昨日の明石から岡山へ入り、明日は和気町、二十三日は笠岡市へ進みます。 健司:巡業は、本場所の白星や黒星を数える日ではありません。 ミミ:ええ。稽古と地域交流の場です。新しい公式の休場や負傷発表は確認できませんでした。次の節目は、十月二十六日の十一月場所番付発表です。 健司:[transitioning] ドジャースも、今日は新しい公式試合や契約発表がありません。 ミミ:[calmly] 直近の確定試合は十五日。ブルワーズに六対四で敗れ、優勝決定シリーズを四連敗で終えました。今日は同じ試合を広げません。 健司:これからは、補強や移籍の名前がたくさん出る時期です。 ミミ:関心がある、話し合う可能性がある、契約した。この三つは別です。球団やMLB(エム・エル・ビー)の正式発表が出るまでは、期待は期待のまま楽しみましょう。[pause 1.0s] ミミ:[warmly] ここからは、五十代からのからだノートです。FDAは二十日、週に一回貼る、二種類のホルモンを組み合わせたパッチの初めての後発品を承認しました。 健司:「ジェネリックが出た」と聞くと、選択肢が増えて、値段も下がるのかなと期待します。 ミミ:その可能性はあります。ただし、承認、発売時期、実際の価格、保険でいくらになるかは別です。先発品はクリマラ・プロです。 健司:二種類のホルモンには、それぞれ役割があるのですか。 ミミ:はい。エストロゲンとプロゲストーゲンを一枚に含みます。FDAの説明では、子宮のある女性が対象です。プロゲストーゲンは、エストロゲンだけを使った時に起こり得る、子宮内膜が厚くなりすぎるリスクを下げるために入っています。 健司:「貼り薬なら飲み薬より誰にでも安全」と考えていいのでしょうか。 ミミ:[soft emphasis] そこは違います。誰にでも使えるわけではありません。原因不明の性器出血、乳がんやその既往、深部静脈血栓症や肺塞栓症、肝臓の病気、特定の血栓性素因などでは禁忌です。 健司:よくある副作用としては、何が挙げられていますか。 ミミ:貼った場所の反応、性器出血、乳房の痛み、頭痛などです。薬の名前だけで「良い」「怖い」と決めず、症状、子宮の有無、既往歴、今の薬を一緒に見ます。 健司:昨日はホルモン療法で医師に聞く一問をメモしました。今日は、もう一歩具体的にできますね。 ミミ:[conversational] 今日の小さな行動は、薬とサプリの一覧に「貼り薬も含む」と一行添えることです。そして診察で、「私の既往歴と今の薬で、この選択肢を比べると何が違いますか」と聞く。今すぐ切り替えるのではなく、比べるための材料をそろえます。 健司:ホルモンを「デトックスで整える」という広告とは、どう分ければいいでしょう。 ミミ:[calmly] デトックスやクレンズは、ホルモン療法の代わりではありません。肝臓、腎臓、肺、皮膚、消化管が老廃物処理を担います。断食、下剤、極端な水分摂取、成分不明のサプリには、脱水、電解質の乱れ、薬との相互作用、受診の遅れなどの危険があります。 ミミ:[warmly] 症状は、からだが汚れている証拠ではありません。気のせいで片づけなくていい話です。続く出血、突然の強い症状、胸の痛み、息苦しさは早めに医療へ。このコーナーは教育目的です。[pause 1.0s] 健司:[conversational] 日本語の本は、青山美智子さんの『海辺のエール』。一昨日、十月十九日にKADOKAWA(カドカワ)から出たばかりです。 ミミ:四六判、三百十二ページ。江ノ電の小さな架空の駅、十六夜駅を舞台にした連作短編です。駅員と、九官鳥のハッチ。そして、挫折や迷いを抱えて駅に降りる人たちが描かれます。 健司:五十代の登場人物もいるのですね。 ミミ:はい。人生の折り返しで将来に不安を感じる人や、五十代の今も舞台に立つ踊り子も登場します。出版社は「喪失と再生」の物語と紹介しています。 健司:評判はどうでしょう。 ミミ:[thoughtful] 出版社は二百人を超える書店員のコメントを販促に使っています。ただ、締切までに、新聞や文芸誌の独立した詳しい書評は確認できませんでした。ですから「高く評価された作品」と、こちらで結論は作りません。 健司:日本語の学習に使うなら、どう読みましょう。 ミミ:一章読んだら三文だけ書きます。「この人が失ったもの」「届いた言葉」「次に選んだこと」。感想を立派に書かなくて大丈夫。人物の変化を短い日本語で追う練習です。 ミミ:[warmly] エールは、大きな励ましだけではありません。「今日はここまで読めた」と自分に言うのも、ちゃんとした一声です。[pause 0.6s] ミミ:[calmly] 最後に、今日の三つです。一つ。カナダ産品への五十パーセント関税をめぐり、食品輸入会社が提訴した。まだ関税が止まったわけではありません。 健司:二つ。京都の秋は、京都駅だけでなく東福寺駅や山科駅も入口に。混雑情報と手荷物サービスを、移動前に一度確認する。 ミミ:三つ。週一回の後発ホルモンパッチが承認された。ただし、承認、発売、価格、自分に合うかは別々に確認する。 健司:バージニアビーチでは、救急搬送の請求収入が救助隊や装備へ戻った実績も出ました。分からない請求は、三つだけメモして問い合わせる。 ミミ:[thoughtful] ミミのひとこと。選択肢が増える日は、急いで選ぶ日ではなく、比べる言葉を持つ日です。五十代からの落ち着きは、迷わないことではなく、確かめながら進めることかもしれません。 健司:水曜の朝をご一緒できて、うれしかったです。 ミミ:[warmly] ミミのポッドキャストでした。全部をがんばらなくて大丈夫。今日使う力を少し残して、どうぞ穏やかに。また明日の朝に。[pause 1.0s]